フタル酸類
フタル酸ジ‐n‐ブチルは無色から微黄色でフタル酸ジ‐2‐エチルヘキシルは無色から淡色で両物質とも特徴的な臭気があります。フタル酸ジ‐n‐ブチルの分子量は278.3でフタル酸ジ‐2‐エチルヘキシルの分子量は390.5です。両物質とも揮発性は低くく、空気より重く高濃度の蒸気は低部に滞留する性質がありますが対流等により拡散した空気との混合気体は相対的に空気と同じ密度になります。。フタル酸ジ‐n‐ブチルは主に塗料、顔料や接着剤に、加工性や可塑化効率アップの為に使用されています。またフタル酸ジ‐2‐エチルヘキシルは可塑剤として、壁紙、床材、各種フイルム、電線被膜等様々な形で汎用されています。。両物質とも高濃度の短期暴露で、目、皮膚、軌道に刺激を与えることがあります。フタル酸ジ‐2‐エチルヘキシルは反復または長期間の接触により皮膚炎を起こすことがあります。
Date: 2012/11/06(火)


スチレン(モノマー)とリモネン
スチレンは無色ないし黄色を帯びた特徴的な臭気のある、常温では油上の液体で分子量104.14です。常温で揮発しやすいが空気より重く、高密度の蒸気は低部に滞留する性質がありますが通常は対流により拡散され、空気との混合気体は相対的に同じ密度になると思われます。ポリスチレン樹脂、合成ゴム、ポリエステル樹脂、ABS樹脂、イオン交換樹脂、合成樹脂塗料等に含まれる高分子化合物の原料として用いられています。また天然の樹脂の中にも含まれています。これらの樹脂を使用しているものに未反応のモノマーが残留していた場合にも室内空気に揮発する可能性があります。モノマーとは、重合を行う際の基質のことで単量体ともいいます。モノマーが多数結合した高分子のことをポリマー(ポリは「たくさん」の意)と呼ぶのに対して、1を表すギリシャ語の接頭語であるモノからモノマーと呼びます。スチレンモノマーと構造が似ており柑橘類の果皮に多く含まれ、その香りを構成している物質がリモネンです。これらのものは自然素材にも含まれているために木材等自然素材からも揮発する可能性があります。比較的高濃度の長期暴露により肺や中枢神経に影響を与え眠気や眩暈を生じることがあります。
Date: 2012/11/05(月)


農薬と住宅
みなさん農薬は殺虫剤に使用されるものと思っておられる方が多いのではないかと思います。本来、虫や微生物から作物を守るためのものという考え方のようですが現実には恐ろしいことになっています。計り知れない大量の農薬が農薬散布機で地上、あるいは空から作物や大地へ散布されました。現在も散布されています。これらの農薬によって地球上の生態系が狂ってきていることあるいはそれ以上のことが起きていることが35年以上も前から警告されています。地球上の多くの生物が奇形や突然変異をおこしあるいは絶滅しました。土壌から川や沼、湖、海に垂れ流された農薬は微生物の体に入り最終的に再濃縮されて人間の体にたどりつきます。家の中でも様々な農薬や生物にとっての毒薬が使用されています。これらの化学物質は生体にとって良いものではありません。生体にとって良いものが人間に良いはずがないというのはあまり難しく考えなくても誰でも解ることですよね。それが家の中でも殺虫剤などだけでなく建材などの様々なものの中に使用されています。有機リン系の殺虫剤であるクロルピリホスは無色の結晶で分子量350.6です。この農薬は以前、防蟻剤として公庫仕様となっていましたのでほとんどの住宅で使用されていました。この猛毒的殺虫剤が住宅の中に使用され多くの健康被害を出していたのです。シックハウス法ができた時に戦後のあまりに多くの農薬被害を受け科学者により検証されたことを受けようやく住宅の防蟻剤としての使用を禁止しました。急性中毒では重症の場合、縮瞳、意識混濁、けいれん等の神経障害を起こします。ある有機リンの専門医師のところではこれらの患者の一人が発作をおこし救急車で運ばれ病院についてほどなく死亡したという話を伺ったことがあります。なぜこのような危険なものが住宅に使用されていたのでしょうか。実はこの農薬の例だけではなく他の人工製品に関しては今までにもこれからも同じような例は繰り返され現在もこれからも続くのだということを考えなければなりません。そして国から認められている、許可されている、一般に使用されているから安全だという考え方は捨てなければなりません。自分で何が安全で何が危険かということを考えなければなりません。難しく考える必要はありません。人間が使用している尺度ではなく自然に優しいかそうでないかということを基本的な判断基準に選択すればおのずと安全なものが見えてくるのではないかということです。一人一人がその基準で行動することが総ての商品づくりに反映されることに繋がっていきます。
Date: 2012/11/04(日)


トルエンの性質と特性
トルエンは塗料や接着剤の希釈剤等として、通常は他の溶剤と混合して用いられました。以前はよく内装の施工用接着剤や塗料に用いられていました。無色でベンゼン様の芳香をもつ分子量92.13の常温では可燃性の液体で揮発性は高いが空気より重く高濃度では低部に滞留する性質があると考えられていますが通常は対流によって拡散し、空気との混合気体は同じ密度になる思われます。主に神経系に作用し影響を及ぼすとともに心臓に影響を与え不整脈を起こす可能性も示唆されています。現在室内測定では高濃度のトルエンが検出されることは少なくなりましたが低量のトルエンは現在でも検出されることがあります。まだ防水の方法や特殊なものの使用でかなりのトルエンが検出される可能性は否めませんので測定して確認する必要があります。
Date: 2012/11/03(土)


13物質の化学物質の特性
さて厚生労働省が指定する13物質の化学物質について再度改めてその特性について考えてみましょう。シックハウスの代表選手のホルムアルデヒドは分子量30.03で常温での蒸気密度1.07、空気とほぼ同じ重さ、無色、刺激臭のある常温時、ガス体の化学物質です。低温でも放散しやすく家庭内の様々な建材・家具、喫煙や石油ガス等の暖房機器の使用によっても発生する可能性があります。ホルムアルデヒドに関するISOの基準・規格に関しては改定中で室内空気測定に関してドイツ工業規格(DIN)が事務局となり進められています。最近浄水場でホルムアルデヒドが検出され報道されましたがホルムアルデヒドは思わぬかたちで検出される可能性が多い化学物質だけに未だにその動向には注意を払う必要があります。IARCでも発がん性物質として分類されていますが以前はよく当協会に電話で皮膚や喉の炎症により出血したとの報告が消費者の皆さんからありました。木材や自然塗料からも検出されるこのホルムアルデヒドの問題は今後もまだ続いていきそうです。
Date: 2012/11/02(金)


化学物質の種類
現在約5000万種類以上の化学物質が生成され存在するといわれています。そのほとんどは、過去数十年間に生成されたものであるといわれています。現在新しい化学物質が生成されるスピードは平均2.6秒間隔といわれています。その中で日本において室内環境における指針値が設けられているのは13物質のみです。しかし室内に存在する可能性のある化学物質は計り知れません。その中で測定対象物質になっているのが官公庁の建物でホルムアルデヒド・トルエン・キシレン・エチルベンゼン・スチレンの5物質です。学校関係は5物質に加えパラジクロロベンゼンの6物質となります。これらの物質は建材中に含まれている可能性が高いもので未だに低量ではありますが検出されることがあります。自然の素材の中にもこれらの物質が何らかの形で混入しているケースもあります。しかしながら数えきれない化学物質が使用されている可能性がある新建材よりも自然素材を産地や流通経路、その行程内容の確認、ある程度の化学物質の放散量テストをして選別して使用することによりそのリスクは新建材より大幅に低減することだけは確かです。
Date: 2012/11/01(木)


シックハウスと化学物質
シックハウスに関して一番初めに室内濃度指針値が定められたのが皆さん良くご存じのホルムアルデヒドです。HCHOの分子記号のごとく水素原子2、炭素原子1、酸素原子1から成るこのホルムアルデヒドはプラスチックや接着剤の原料として建材などに大量に使用されてきました。この化学物質は尿素やメラミン等の化学物質や蛋白質などと反応しやすく、尿素と反応すると尿素から水素がホルムアルデヒドから酸素が取り除かれ水と尿素ホルムアルデヒド樹脂が生成されます。水分がなくなった尿素ホルムアルデヒドは固化するので木材の接着剤として利用されたわけですが反対に尿素ホルムアルデヒドが水や水蒸気を吸収すると尿素とホルムアルデヒドに分解しやすくなります。その結果室内のホルムアルデヒド濃度は高温、多湿で分解反応が進みやすい夏が最も高くなる傾向となるわけです。このホルムアルデヒドは無垢の木材などからも発散されるので現在の高気密、高断熱の家では厄介なことになるというわけです。せっかくの天然素材もそれらの化学物質の処理をしないとシックハウス住宅になりかねないということです。自然の木材を豊富に使用した健康住宅が実はホルムアルデヒドやアセトアルデヒドだらけの危険な住宅であるという笑えない結果になるということです。これも測定しなければ解らないことです。実際に天然木の豊富な家は夏には大量のホルムアルデヒドやアセトアルデヒド等の化学物質を放散させている住宅の可能性が限りなく高いと言えます。それは檜や松、杉などの針葉樹からそれらの化学物質が大量に放散されるからなのです。せっかくの自然素材を活かすためにはそれらの化学物質を抜く処理をしなければなりません。しかし現在の方法でそのような処理ができるところ、しているところは99%ないのが現状です。
Date: 2012/10/31(水)


化学物質の分類
住環境の中の室内空気環境における化学物質を的確に理解する為に化学物質を分類して考えてみましょう。化学的視点からは金属、無機物、有機物に、存在形態からは、ガス状物質と粒子状物質、固体、液体、気体などの分類することができます。この中から室内空気の保全という視点で重要なのは有機物質です。有機物質は分子の中に炭素原子を含む化学物質です。その有機物質を分類しますと以下のようになります。
1.芳香族。ベンゼン環(C6H6)持つ化合物
2.脂肪族。炭素原子が鎖状につながっている化合物
3.シクロアルカン。ベンゼン環を持たない環式炭化水素合物
4.テンペル類。基本単位C5H8を2個以上含む炭化水素で、植物の精油成分から得られる化学物質の総称
5.アルコール。脂肪族炭化水素の末端に水酸基(OH)を持つ化合物
6.グリコール。1分子内に2個の水酸基を持つアルコール/グリコールエーテル。エーテル結合(COC)を持つグリコール
7.アルデヒド。水素を取り除いたアルコールで、アルデヒド基(CHO)をもつ化合物
8.ケトン。炭素鎖の中にカルボニル基を持つ化合物
9.ハロゲン化炭化水素。炭化水素の水素原子の一部がハロゲン原子(フッ素、塩素、臭素、ヨウ素、アスタチン)に置き換わった化合物
10.酸。水中で水素イオンH+を放出する化合物
11.エステル。酸とアルコールが反応し、水(HOH)を除去してできる化合物
12.フタル酸エステル。無水フタル酸とアルコールからつくられるエステル。ジエステルは可塑剤として使用。
13.その他
Date: 2012/10/30(火)


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