「イグサレルトは、緊急時に備えて予備する薬品です」そう話すのは医療専門誌『arznei-telegramm』の発行責任者ヴォルフガング・ベッカー=ブリューザーだ。ドイツ医師学会による医薬品委員会もまた手引書の中で、経口抗凝固剤などを調合しての心房細動の患者グループの治療は「慎重に実施するべき」であるとし、イグサレルトを使っての治療には「いかなる利点も存在しない」と記載している。バイエルがわも連邦薬剤・医薬品研究所が提出した報告を重視するつもりはないようだ。医師や患者たちの「自主的な報告」をもとにしたものであるため、企業側がコメントすることもないのだという。「そもそも使用者グループが特殊である中、副作用発症の報告の割合だけで正確な副作用発症率を導き出すことは不可能です」と話すのはバイエル社のスポークスマンであるミヒャエル・ディールだ。 「データはドイツの通常の医療業務から収集されたものですから、長期治療を実施する際のイグサレルトの安全性を暫定的に評価するものとなるでしょう」とスポークスマンは言う。バイエル社は昨年、イグサレルトの販売戦略で押しつけがましさを発揮し、批判の矛先に立たされた。イグサレルトを注文していないドイツ全土の医師たちに、サンプルを送りつけたのである。そうして医師たちが正式な注文書にサインするように仕向けたと記事で報道している。
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Date: 2014/02/04(火)
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