中国からの概要研究:続4・・・個々の結果
中国からの概要研究:続4・・・個々の結果
4. グルタミン酸受容体とNMDA/AMPA受容体
機能: グルタミン酸は脳内で最も重要な興奮性神経伝達物質です。NMDA受容体とAMPA受容体を介して、学習と記憶の基礎となるシナプス可塑性を媒介します。
高周波電磁波の影響
グルタミン酸レベル:部分的に減少 (短時間の曝露後)、部分的に増加 (長時間の曝露後)。
NMDA受容体:
海馬、皮質、線条体におけるサブユニット NR1、NR2A、NR2B の減少。
この減少は、モリス水迷路テストにおける学習および記憶パフォーマンスの低下と相関していました。
意義:グルタミン酸受容体は、ヘッブ学習シナプス の活性化において中心的な役割を果たします。グルタミン酸/NMDA受容体系の機能不全は、脳が情報を記憶するメカニズムである長期増強(LTP)を阻害する可能性があります。これは認知機能障害、集中力の低下、学習障害につながります。
5. GABA(γ-アミノ酪酸)
機能:GABAは最も重要な抑制性神経伝達物質であり、興奮と抑制のバランスを維持します。不安、睡眠、筋緊張、神経細胞の安定性を調節します。
高周波電磁波の影響
いくつかの研究では、放射線照射後に海馬と皮質の GABA が減少することがわかりました。
他の実験では、GABA は数か月後にのみ増加しました。これはおそらく補償的なものです。
GABA 受容体は RF-EMF 後に部分的にアップレギュレーションされ、適応反応を示唆しています。
意味: GABAの不均衡は、不安、イライラ、睡眠障害、てんかんを引き起こす可能性があります。同時に、神経活動の抑制が低下し、過覚醒やストレス症状を引き起こす可能性があります。
Date: 2025/10/24(金)


中国からの概要研究:続3・・・個々の結果
中国からの概要研究:続3・・・個々の結果
放射線ストレス下の神経伝達物質:グルタミン酸/NMDA、ドーパミン、セロトニン、GABA、アセチルコリン。
Huら(2021)による研究は、RF-EMFが神経伝達物質のバランス、シナプス機能、ひいては学習、記憶、行動にどのような影響を与えるかを調べた多数の動物実験および細胞実験を要約したものです。本研究で標的とされた神経伝達物質は以下のとおりです。
1. ドーパミン
機能:ドーパミンは、動機、報酬、注意、学習プロセス、運動制御を制御し、前頭葉の成熟に不可欠です。バランスの取れたドーパミン系は、認知制御、感情のバランス、そして運動の精度にとって非常に重要です。
高周波電磁波の影響
いくつかの動物実験では、長期曝露(例:900〜1800 MHz、1日1時間、数週間)後に海馬と線条体のドーパミン濃度が低下しました。
いくつかの実験では、ドーパミンは短時間の低強度運動ではわずかに増加しましたが、長時間または高強度運動では大幅に減少しました。
妊娠中のラットでは、低レベルのRF-EMF曝露により胎児のドーパミンレベルが上昇したが、高レベルの曝露ではドーパミンレベルが低下し、脳の発達に障害があることが示された。
意義:ドーパミンバランスの乱れは、注意欠陥、学習障害、意欲低下、運動障害につながる可能性があります。長期曝露は、記憶と報酬学習に重要な線条体と海馬のドーパミン経路に障害をもたらす可能性があります。
2. ノルアドレナリンとアドレナリン
機能:ノルエピネフリンとアドレナリンは、覚醒、注意力、ストレス反応、感情の安定を調節します。交感神経系を活性化し、感情的に重要な出来事における記憶形成をサポートします。
高周波電磁波の影響
動物実験では、1800 MHz(1日2時間)を30日間照射した後、海馬のノルアドレナリンとアドレナリンのレベルが減少したことが示されています。
低放射線量(1 mW/cm²)では増加が見られ、高放射線量では減少が見られました。つまり、線量依存的な反応です。
妊娠ラットでは、低用量で値が増加し、高用量で値が減少しました。
意味:バランスの乱れは、ストレス処理、集中力、記憶力の低下につながる可能性があります。特に成長期においては、情緒不安定や注意欠陥障害につながる可能性があります。
3. セロトニン(5-HT)
機能:セロトニンは気分、睡眠、食欲、痛覚、記憶、学習に影響を与えます。感情のバランスを調節する中心的な役割を果たします。
高周波電磁波の影響
いくつかの研究では、RF-EMF(900〜2450MHz)により脳(特に海馬、視床下部、 中脳)内のセロトニンレベルが上昇することが示されています。
同時に、分解代謝物 5-HIAA が減少し、セロトニン処理障害の兆候が見られました。
高放射線量(2450 MHz / WLAN)では、脳活動(EEG)の変化と学習能力の低下も観察されました。
意味:セロトニンバランスが永続的に上昇または乱れると、睡眠障害、不安、イライラ、または抑うつ症状を引き起こす可能性があります。
Date: 2025/10/23(木)


中国からの概要研究:続2・・・・神経伝達物質の重要性と機能
中国からの概要研究:続2・・・・神経伝達物質の重要性と機能
Hu らによるレビューの重要性を理解するために、まず神経伝達物質の重要性について少しコメントしたいと思います。私たちの脳は、数十億の神経細胞からなる高度に動的なネットワークです。これらの細胞は、微小な化学伝達物質である神経伝達物質を介して通信します。神経伝達物質は、脳が考え、感じ、学習するための言語です。すべての神経細胞は、活動電位と呼ばれる電気信号を発生させることができます。ニューロンが「発火」すると、微小な電圧が細胞膜を横切り、他の神経細胞との接点であるシナプスに伝わります。そこで、電気信号は化学信号に変換されます。つまり、神経伝達物質が放出され、シナプス間隙を通過し、次の細胞の受容体に結合します。これにより、電気的コミュニケーションと化学的コミュニケーションの魅力的な相互作用が生まれ、精密なオーケストラのように、私たちの思考、感情、行動のすべてを制御します。
神経伝達物質は、事実上すべての精神機能と身体機能を調節し、注意力、学習プロセス、感情、睡眠、記憶に影響を与えます。興奮と抑制のバランスを維持し、このバランスが幸福感、精神的な明晰さ、そして感情の安定を決定づけます。脳の成熟期、つまり妊娠、幼少期、そして思春期には、神経伝達物質はさらに重要な役割を果たします。シナプスの形成と結合を指示し、神経ネットワークを形成し、知覚、言語、感情、記憶の発達を決定づけます。
この精密に調整された化学電気バランスのわずかな変化でさえ、永続的な影響を及ぼす可能性があります。脳は、一部の楽器が同期を崩したオーケストラのように反応し、アンサンブル全体が調和を失います。外部からの毒素(毒素、慢性的なストレス、薬物、電磁放射線などの有害な影響)がこのバランスを崩すと、脳は様々な形で反応します。まず、代謝プロセスと信号伝達が遅くなり、その後、配線の誤り、炎症反応、さらには神経細胞の死につながる可能性があります。
電気的興奮と化学シグナル伝達の繊細な相互作用が恒久的に阻害されると、神経精神疾患、認知障害、発達障害につながる可能性があります。オーケストラの例えを続けると、高周波電磁波を照射すると、楽器群の同期が崩れ、別の楽器は音程が狂い、さらに別の楽器は完全に機能しなくなります。交響曲は不協和音と化します。
Huらの論文:RF-EMF、すなわち放射性モバイル機器の使用の影響下では、脳内にカコフォニー(雑音)が発生します。発達中の脳は構造とネットワークがまだ発達途上にあるため、このような影響に特に敏感に反応し、後々元に戻すことが困難な変化を生じることがよくあります。
Date: 2025/10/22(水)


中国からの概要研究:続1・・脳内の内因性リズムの非同期化
中国からの概要研究:続1・・脳内の内因性リズムの非同期化
Huらによる研究は、「モバイル通信は脳に影響を与えるか?」の主要な論点を裏付けています。RF-EMF放射は脳内の内因性リズムの脱同期化を引き起こし、中枢プロセスの同期が乱れ、ニューロン間の相互作用が著しく阻害されます。これは学習、記憶、行動に影響を及ぼし、神経疾患や神経変性疾患につながることさえあります。Huらは、RF-EMFによって阻害される神経伝達物質を詳細に報告しています。著者らは、このような変化が頻繁に、あるいは例えば発達段階の早期に発生する場合、ニューロンネットワーク、特に海馬(学習中枢)の構造変化の永続的な障害を示す可能性があると、慎重ながらも明確に述べています。
これらの研究結果は、「デジタル教育」や保育園・学校におけるスマートフォン禁止に関する現在の議論に組み入れられるべきです。率直に言って、スマートフォンやWi-Fiからの放射線被曝は人を愚かにします!特に、感覚過負荷や依存症といった心理社会的ダメージと相まって、その影響は顕著です。「脳研究の知見を考慮しなければ、スマートフォンの蔓延から抜け出す道はないだろう」というのが、Teuchert-Noodt/Hensingerによる論文のプログラム的なタイトルです。脳への電磁波の影響に関するこの研究結果の衝撃的な性質は、神経生物学者ケレン・グラフェン博士によるインタビュー「高周波電磁波が子供や青少年の脳の発達に及ぼす悪影響を真剣に受け止めるべき時が来た!」の中で 初めて印象的に示されました。
Date: 2025/10/21(火)


中国からの概要研究:電磁放射線(RF-EMF)が神経伝達物質と脳機能に及ぼす影響
中国からの概要研究:電磁放射線(RF-EMF)が神経伝達物質と脳機能に及ぼす影響
中国からの概要研究:脳のオーケストラはリズムを失っている
中国の科学者によるレビュー研究「高周波電磁波による脳内神経伝達物質への影響」は、携帯電話通信から発生する電磁波が、出生前および出生後の脳代謝に甚大な影響を及ぼすという説得力のある証拠を示しています。特に、記憶、学習、行動への悪影響は、子供に顕著に表れています。
神経伝達物質が思考の中心である理由
Huら(2021)によるレビュー「脳内神経伝達物質に対する無線周波電磁放射線の影響」は、ElektrosmogReport 4/2022で既に議論されています。彼らの研究結果は、デジタルメディアが子供や青少年に与える影響、学習能力や認知能力の低下、スマートフォン禁止に関する議論など、現在議論されている状況において特に重要です。Huらは、モバイル通信(Wi-Fiを含む)の周波数帯域における電磁場が、脳内の神経伝達物質系(主にグルタミン酸 / NMDA、ドーパミン、セロトニン、GABA、アセチルコリン)にどのように影響するかを実証しています。これらの系は、私たちの思考と学習プロセスを制御しています。この研究における重要な発見は以下のとおりです。
個々の神経伝達物質の変化を簡略化するために、生化学的不均衡に限定していますが、神経伝達物質の複合的な影響も依然として考慮に値します。動物におけるRF-EMF曝露後の神経伝達への影響の相違は、神経生理学的変化、カルシウムおよび活性酸素の増加、ひいては細胞膜の損傷や下流のシグナル伝達の変化など、脳の異なる領域における複合的な影響によるものである可能性もあります。
著者らは3つの主要な発見を導き出しており、RF-EMFは
神経伝達物質の不均衡(生化学的調節異常)
酸化ストレスとアポトーシス(細胞損傷)
行動と記憶の変化(機能的結果)
これらを組み合わせることで、脳の病態生理学的障害の図が作成されます。
RF EMF は興奮と抑制のバランスを崩す可能性があります。
学習、記憶、注意力などの認知機能が損なわれる可能性があります。
発達中の脳(胎児、子供)は、神経ネットワークと神経伝達物質システムがまだ発達中であるため、特に敏感です。変化は頻度と投与量に依存します。
Date: 2025/10/20(月)


フランスの研究:携帯電話の電磁波は胎児の脳の発達にも悪影響を及ぼす
フランスの研究:携帯電話の電磁波は胎児の脳の発達にも悪影響を及ぼす
脳の発達にとって重要な細胞イベントは、限度値を下回るRF-EMF照射によって変化する。これは、アミアン(フランス)のピカルディ・ジュール・ヴェルヌ大学の科学者による質の高い研究の結果である。
脳の構造的損傷
Bodinらによる研究の主な知見は、携帯電話の電磁波が脳代謝の非同期化を引き起こし、脳の発達、ひいては記憶力と認知能力を低下させるというものです。この結果は、脳の発達に必要な栄養素であるBDNFの生成が阻害されるという点を含め、レビュー第4号「携帯電話の電磁波は脳に影響を与えるか?」の主要な結論を完全に裏付けています。
これまでの調査結果
まず、著者らは、高周波放射線(RF-EMF)への曝露によって引き起こされる脳の重大な変化を列挙している。これらは過去の研究ですでに実証されており、著者らはそれらを「神経発達における重要な出来事」(p.2)と呼んでいる。これには以下のものが含まれる。
酸化細胞ストレス(ROS、脂質過酸化、抗酸化物質の減少)
錐体ニューロンの減少
細胞構造への神経損傷
ROSによる海馬と小脳の組織学的変化
神経球の数と大きさ、および分化したニューロンの割合の減少
輸送調節因子の発現の減少
シナプス小胞とドーパミン作動性ニューロンの数の減少
樹状突起棘の大幅な減少
神経突起と皮質ニューロンの数の減少
限界値を下回って損傷が発生していないか確認する
Bodinらは、人体に適用可能なICNIRPの限度値を満たす全身SARにおいて、これらの損傷のうちどれが出産前および出産後に発生するかを調査しました。これは、母親と父親が赤ちゃんを胸に抱きながら電話で話しているときや、母親が妊娠中であるときなど、私たちが街中や地下鉄で毎日目にする状況で発生します。これが引き起こす可能性のある結果について、Bodinらは次のように記しています。
「本データは、胎児期の発達過程において、規定閾値でのRF-EMF波への継続的な曝露が、げっ歯類の未熟な脳において細胞増殖を減少させ、分化を変化させ、シナプス形成を減少させることを示唆している…これらのデータは、発達中の生物がRF-EMF曝露に対して脆弱であるという仮説を支持するものであり、妊婦や幼児が通信機器を使用している間のRF-EMF曝露に関して注意を促している。」(結論)
EMF:Data の研究の議論では、研究結果が次のように要約されています。
本研究のデータは、一般集団の規制値内であっても、曝露が脳の発達に悪影響を与える可能性があることを示唆しています。これらの変化には、生体内での細胞増殖、 BDNFレベル、シナプス形成の低下、そして生体外における神経幹細胞の分化の変化が含まれます。著者らは、抑制性シナプスの割合の増加は、生体内のニューロン興奮性の増加に起因する可能性があると仮説を立てています。この均衡の変化は、自閉症スペクトラム症などの神経発達障害と関連しています。要約すると、科学者たちは、発達中の生物が携帯電話の高周波放射線に対して脆弱であるという仮説が裏付けられたと考えています。彼らは、特に妊婦や幼児は、無線通信機器の取り扱いに注意するよう推奨しています。

Date: 2025/10/19(日)


メタ分析の誤用
ICBE-EMFの論文10月2日にEnvironmental Health誌に掲載
メタ分析の誤用
この新たな論文は、ICBE-EMFがWHOのシステマティックレビューを批判した最初の論文ではありません。ジョン・フランク、ジョエル・モスコウィッツ、メルニックを含むメンバーは、これまでにも2つのレビューの改訂または撤回を求めてきました。1つは、RFの耳鳴りと片頭痛への影響に関するレビュー、もう1つはヒトにおけるがんリスクに関するレビューです。
Environmental Health誌に掲載されたこの論文の新たな点は、ICBE-EMFがWHOの12件のシステマティックレビューの欠陥を指摘している点です。その中で最も重要なのは、複雑でしばしば物議を醸す文献を統合・統合するためにメタアナリシスに過度に依存していることです。メタアナリシスは、独立した研究のデータを組み合わせて一般的な結論を導き出すプロセスですが、統合対象となる研究の性質が類似している場合にのみ有用です。もし性質が異なる場合、分析は主観的になり、バイアスが生じる可能性があります。
ヴァン・デヴェンター氏は、専門家グループの選定方法やその権限について、一貫して開示を拒否している。実際、WHOの環境健康保健(EHC)プロセス全体は秘密に包まれており、Environment Internationalに掲載された論文以外に公表されているものはない。これらの論文から、WHOは12件のシステマティックRFレビューすべてにメタアナリシスを含めることを望んでいたことは明らかである。しかし、これらがすべて必要かつ適切であったかどうかを誰かが確認したかどうかは不明である。平均すると、すべてのトピックについて発表されたシステマティックレビューの約半数にメタアナリシスが含まれている。
ICBE-EMFによると、メタアナリシスを含む11件のWHOシステマティックレビューは多岐にわたるため統合できず、その結果は「信頼できない」とのことです。論文に添付された無料でアクセスできる補足ファイル(#2)には、各メタアナリシスの欠陥が詳細に記載されています。
「WHOがメタ分析をやめて、査読済み文献の物語的な体系的レビューを採用することを期待しています」とモスコウィッツ氏はインタビューで語った。
ICBE-EMFのもう一つの大きな懸念は、WHOの体系的レビューの準備に対するICNIRP(国際非電離放射線防護委員会)の「過度の」影響である。
ICBE-EMFがICNIRPに批判的であることは全く驚くべきことではありません。ICBE-EMFは、1992年の設立以来のICNIRPの優位性に異議を唱えるために3年前に設立されました。
12のレビューグループには、それぞれ少なくとも1名の現職または元ICNIRP委員が参加しています。委員を2期務めた後、昨年退任したバーゼル大学のマーティン・ルースリ氏は、4件のシステマティックレビューの共著者です。現ICNIRP副議長のケン・カリピディス氏は、3件のレビューの共著者です。
WHOのEHCプロジェクトにおいて、おそらく最も重要な役割を果たしたのは、ストックホルムのカロリンスカ研究所のマリア・フェイヒティング氏でしょう。発がんリスクに懐疑的な声高な研究者であるフェイヒティング氏は、6件のシステマティックレビューの研究プロトコルの起草に携わりました。彼女はICNIRPの委員として最長の任期である12年間務め、そのうち8年間は副委員長を務めました。

Date: 2025/10/18(土)


WHOは高頻度に関して6の評価を得ている
WHOは高頻度に関して6の評価を得ている
ICBE-EMF:健康評価はICNIRPによる誤った分析と偏りに悩まされている
WHOは非電離放射線の影響に関する研究概要(レビュー)の作成を委託しました。これらの研究は厳しい批判にさらされており、独立した科学者たちが撤回を求めています。当初、ジェームズ・リン教授は論文の中で、これらの研究は産業界と規制当局の複合体による報告を軽視するものだとして、撤回を求めました。現在、電磁場の生物学的影響に関する国際委員会(ICBE-EMF)も詳細な論文の中で、12件のレビューのうち11件を非科学的であると評価しています。
マイクロ波ニュース、2025年10月3日。世界保健機関( WHO )は15年近くにわたり、高周波放射線の健康影響に関する見解を説明しようと努めてきました。しかし、これまでのところ状況は芳しくなく、今や事態はさらに悪化しています。
電磁場の生物学的影響に関する国際委員会( ICBE-EMF )の科学者と活動家からなるグループは、WHOがこれまでに達成したことには大きな欠陥があるため、これまでの作業を放棄してやり直すべきだと警告を公に発した。
ICBE-EMF研究: WHO委託による高周波放射線の健康影響に関するシステマティックレビューは、安全性の保証を提供していない。
WHOがRF放射線に関してゼロから検討を始めたのは今回が初めてではない。2014年、WHOは2年間の準備期間を経て、RF放射線の健康影響に関する新たな評価の草案(以前は環境保健クライテリア(EHC)文書として知られていた)を公表した。しかし、その後まもなく、このプロジェクトはひっそりと棚上げされた。WHOが表向きはゼロから検討を再開するまでには、5年を要した。
WHO放射線プログラムを率いるエミリー・ファン・デヴェンター氏は、2019年にRF-EHCの改訂作業を再開した際、RF放射線の潜在的な健康影響をそれぞれ異なる観点から検証した12件のシステマティックレビューを委託しました。レビューの準備が進められていた2022年、ファン・デヴェンター氏はこれらのレビューを参考に、新たなRF-EHC論文を起草するためのワーキンググループを結成しました。以前の版は30年以上前に出版されていました。
一つの例外を除き、RFに関するすべてのシステマティックレビューは、ICBE-EMFから低い評価を受けました。「関連研究の除外、信頼性の低い研究の使用、研究の不適切な組み合わせなど、多くの欠陥が明らかになりました。また、著者のバイアスも明らかにされていませんでした」と、ICBE-EMFの批評の筆頭著者であるロン・メルニック氏はプレスリリースで説明しています。
この新たな論文は、ICBE-EMFがWHOのシステマティックレビューを批判した最初の論文ではありません。ジョン・フランク、ジョエル・モスコウィッツ、メルニックを含むメンバーは、これまでにも2つのレビューの改訂または撤回を求めてきました。1つは、RFの耳鳴りと片頭痛への影響に関するレビュー、もう1つはヒトにおけるがんリスクに関するレビューです(当委員会の報道はこちらとこちら)。
Environmental Health誌に掲載されたこの論文の新たな点は、ICBE-EMFがWHOの12件のシステマティックレビューの欠陥を指摘している点です。その中で最も重要なのは、複雑でしばしば物議を醸す文献を統合・統合するためにメタアナリシスに過度に依存していることです。メタアナリシスは、独立した研究のデータを組み合わせて一般的な結論を導き出すプロセスですが、統合対象となる研究の性質が類似している場合にのみ有用です。もし性質が異なる場合、分析は主観的になり、バイアスが生じる可能性があります。
ヴァン・デヴェンター氏は、専門家グループの選定方法やその権限について、一貫して開示を拒否している。実際、WHOの環境健康保健(EHC)プロセス全体は秘密に包まれており、Environment Internationalに掲載された論文以外に公表されているものはない。これらの論文から、WHOは12件のシステマティックRFレビューすべてにメタアナリシスを含めることを望んでいたことは明らかである。しかし、これらがすべて必要かつ適切であったかどうかを誰かが確認したかどうかは不明である。平均すると、すべてのトピックについて発表されたシステマティックレビューの約半数にメタアナリシスが含まれている。
ICBE-EMFによると、メタアナリシスを含む11件のWHOシステマティックレビューは多岐にわたるため統合できず、その結果は「信頼できない」とのことです。論文に添付された無料でアクセスできる補足ファイルには、各メタアナリシスの欠陥が詳細に記載されています。「WHOがメタ分析をやめて、査読済み文献の物語的な体系的レビューを採用することを期待しています」とモスコウィッツ氏はインタビューで語った。
ICBE-EMFのもう一つの大きな懸念は、WHOの体系的レビューの準備に対するICNIRP(国際非電離放射線防護委員会)の「過度の」影響である。
ICBE-EMFがICNIRPに批判的であることは驚くべきことではありません。全く驚くべきことではありません。ICBE-EMFは、 1992年の設立以来のICNIRPの優位性に異議を唱えるために3年前に設立されました。
12のレビューグループには、それぞれ少なくとも1名の現職または元ICNIRP委員が参加しています。委員を2期務めた後、昨年退任したバーゼル大学のマーティン・ルースリ氏は、4件のシステマティックレビューの共著者です。現ICNIRP副議長のケン・カリピディス氏は、3件のレビューの共著者です。
WHOのEHCプロジェクトにおいて、おそらく最も重要な役割を果たしたのは、ストックホルムのカロリンスカ研究所のマリア・フェイヒティング氏でしょう。発がんリスクに懐疑的な声高な研究者であるフェイヒティング氏は、 6件のシステマティックレビューの研究プロトコルの起草に携わりました。彼女はICNIRPの委員として最長の任期である12年間務め、そのうち8年間は副委員長を務めました。
Date: 2025/10/17(金)


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