複数因子の影響 

| 倉石 |

先日ご相談を頂いた女性は、隣家のエコキュートの低周波音に日夜悩まされているとのことでした。また近くの茶畑で使用している屋外用の大型扇風機の低周波音にも反応されているようです。騒音や音による被害の中でも低周波音の問題はたいへん難解で、被害にあっている当事者でないとなかなか理解され難いという側面があります。しかしいったん知覚し始めるとたいへんな不快感へと繋がり、そこに住み続けることもままならなくなるそうです。 ご相談頂いた方の家の状況はそのような低周波音の被害のほかに、30mほど近くに高圧送電線が立ち、また窓から見えるところに携帯電話基地局が2基もあるそうです。 低周波音も然ることながら、高圧送電線からの低周波電磁波、そして携帯電話基地局からの高周波電磁波の影響も大きく懸念されるところです。どの要素が真先に依頼者の健康に影響を及ぼしたかは分かりませんが、いずれの要素も十分に影響を与えかねない位置にあるということが問題です。この状況では依頼者の免疫系は飽和状態となり、住環境因子に対して極めて鋭敏になっていることはほぼ間違いないと考えられます。その方はその住宅にすでに20数年ほど暮らしており、今さら転居は考えられないそうです。 長年静かに暮らし続けて来られ、本来ならば今後も安住の地となるはずの我が家で、眠ることもできず不快感に苛まれなければならないことはつらいことです。 人間の安全で健康な居住に関する権利は、何を差し置いても一番に守られなくてはならない要素であると改めて感じさせられました。