住宅の化学物質汚染に関する相談 健康への影響の少ない建物のつくり方を知りたい場合、なかなか適切な相談窓口が見つからないのが実状ですが、気軽に利用できるところが増えています。 その中でも、保健所は最も数が多く、身近な存在です。健康に関する相談が中心ですが、それ以外の相談にも応じてもらえる場合があります。 また、住宅紛争処理支援センターでは、かなり広範囲の相談に応じています。 平成12年に施行された「住宅の品質確保の促進などに関する法律」に基づいて設立され、@新築住宅の契約に関する瑕疵保証制度の充実。A住宅の性能表示制度の創設。B住宅専門の紛争処理体制の整備が盛り込まれています。 AとBはシックハウス問題とも密接に関連しています。
シックハウス症候群の自己診断2 シックハウス症候群は、以下の反応を調べることで、自己診断できます。 @化学物質による反応(車の排気ガス、タバコの煙、殺虫剤、除草剤、ペンキ、シンナー、消毒剤など、コールタール、マニュキア、新しい絨毯、カーテンなど) Aその他の化学物質曝露による反応(水道の消毒剤、キャンディ、ピザなどの食品、カフェイン、アルコール類、薬品類、花粉など典型的なアレルギー抗原など) B症状(筋肉、気管粘膜、心臓・循環器、胃腸、集中力・記憶力、情緒、頭部、皮膚、泌尿器、生殖器に対する障害の程度) Cマスキング(何度も化学物質からの刺激を受けると、適応してしまい、本来の刺激症状を示さず、隠蔽されたような状態になってしまう現象) D日常生活の障害の程度(食事、就業、通学、着衣、ドライブ、趣味、外出、家族関係など日常生活の障害の程度)
室内での喫煙について 新潟県の一戸建て、木造独立住宅110戸を対象としたアンケートの結果によると、一世帯で一日に喫煙する煙草の本数は、1〜5本が10.7%、6〜10本が19.7%、11〜20本が21.4%、21〜40本が14.3%で、喫煙者がいない住宅は33.9%となっています。 また、喫煙する場所については、リビングが33.3%、自室(書斎など)が30.0%、換気扇の下が23.4%、家の外(ベランダなど)が13.3%となっています。 以上の結果から、煙草を吸う人のほとんどが、普段生活しているところで喫煙しているということが分かります。 室内で空気が悪いと感じる一番の原因は、煙草のにおいです。喫煙者が喫煙する場所を考えることでこの原因は回避できるでしょう。 しかし、家の中で喫煙できないからといって、家の外での喫煙については注意が必要です。 家の外やベランダなどでの喫煙は、隣接した住宅へ迷惑がかかるかもしれませんし、風向きによっては煙草のにおいが隣に入ってしまうかもしれません。 においを除去するフィルターのついた換気扇や空気清浄機が設置してある部屋での喫煙が望ましいと思います。
光触媒とは「光エネルギーによって酸化反応、還元反応などを促進するもの」です。 こ の性質を利用して、脱臭器や空気清浄機、エアコンのフィルタなどに利用されていますが、その原理は、光触媒のもつ光エネルギーによって酸化反応、還元反応を促進させ、、表面に付着した有機物、アンモニア、窒素性酸化物などを分解する、というものです。 光触媒となる酸化チタン粉体を格子天井や木製内装材にコーティングした建材等が市販されています。
空気清浄機の効果 市販の空気清浄機は、主に、ほこり、塵、ペットの毛、タバコの煙、花粉、カビ、ダニなどの粒状物質を捕集する除去機能と、悪臭を取り除く脱臭機能を備えています。 そして、この脱臭機能において、化学物質を除去できると考えられ、換気と同じように室内の汚染物質の濃度を低減させます。 どの程度の換気量に相当するのか(相当換気風量)は空気清浄機の機種によって様々ですが、住宅の換気量より空気清浄機の相当換気量のほうが大きな値であれば、汚染物質濃度の低減に期待できます。しかし、住宅の換気量より空気清浄機の相当換気量が上回らないと空気清浄機の運転による汚染物質濃度の低減が期待できません。
窓を開けての換気の場合に考慮する点 窓を開けて換気をする場合、汚染空気を排出するための窓を開けるだけでなく、新鮮な空気を取り入れるための窓を開けることに注意する必要があります。 そして、新鮮な外気が取り入れられ汚染空気が排出されるまでの経路(換気経路)を確保することが窓開けによる効率的な換気方法です。 そのためには、外部風向、外部環境、汚染物質の発生場所、室内外温度差による浮力の効果の4つを考慮する必要があります。
室内で化学物質が停滞しやすい場所 住宅を気密化すると、隙間風を減らし、室内の温度を一定に保ち、快適な環境を作ることができます。しかし、気密化することにより、室内空気の清浄度が低下することになります。 特に、空気汚染の濃度が高い場所は押入、クローゼット、玄関などがあげられます。また、家具の中の空気も空気がよどみやすくなっています。
新築住宅のにおいの原因 新築住宅に入ったときに感じるにおいの多くは、ホルムアルデヒドです。 これは合板に使われている接着剤から放散されるので、食器棚などの家具からも放散される恐れがあります。 トルエンやキシレン、スチレン等の芳香族炭化水素は塗料に含まれているので、新築時にはやはりにおいが強く感じられます。 また、畳やカーペットからもにおいが発生するする場合もあり、人によっては、そのにおいを好まない可能性があります。
ベークアウトとは 建材が揮発するホルムアルデヒドや揮発性有機化合物の量には限界があり、揮発、換気を繰り返せば、やがて室内への放散が減少する、という考え方に基づく抑制対策手法がベークアウトです。 つまり、家屋を閉め切って暖房し、化学物質が十分揮発したところを見計らって換気をする。これを繰り返して、建材に含まれている化学物質の量を減少させ、室内への放散も減少させる、というものです。 このベークアウトも、ホルムアルデヒドの場合は、合板接着剤の経時分解 によって新たに産生されるため、一時的な効果しかないと考えられていますが、ベークアウトを請け負う業者の実施例では、ベークアウトの8ヶ月経過後まで低い濃度を維持していたという結果もあり、効果の検証と手法の確立が、今後の課題となっています。
化学物質を吸着・分解するもの(市販の製品) ホルムアルデヒドなどの化学物質を吸着除去、分解除去する浄化シートや吸着ボードが開発されています。 浄化シート の多くが粉末状のホルムアルデヒド補足剤、木炭粉、吸着剤と光触媒の粉体をクラフト紙に塗布、浸透乾燥させたものです。 これらの製品の大半は試験管レベルでの自社試験で効果を確認しているとのことです。 吸着ボードは、プリント配線板の製造工程から発生した廃材を減量の一部に用いた脱臭剤をボード状にしたもので、室温でホルムアルデヒドを二酸化炭素と水に分解する作用が確認されています。
必要換気量の求め方 汚染物の除去のための、必要換気量は、汚染物質濃度の許容値と発生量から求めることが出来ます。汚染物質の許容値は空気調和・衛生工学会の換気企画では以下のように定められています。 二酸化炭素:1000ppm(総合指標としての基準) 二酸化炭素:3500ppm(単独指標としての基準) 一酸化炭素:10ppm 浮遊粉塵:0.15mg/m3 二酸化窒素:210ppb 二酸化硫黄:130ppb ホルムアルデヒド:0.08ppm ラドン:150Bq/m3 アスベスト10本/L TVOC:0.3mg/m3
計画換気の種類 計画換気は、基本的に外気をクリーンゾーン→廊下・ホール→ダーティーゾーンという順に経由されるよう計画することが原則ですが、住宅やコストの関係から、A,B,Cのタイプに分けることができます。 Aタイプは外壁の給気口から外気を取り入れる方法で、設置が簡単で安価という特徴があります。しかし、コールドドラフトが生じやすく、他のタイプに比べて安定した給気量の確保が難しいというデメリットがあります。 Bタイプは全ての部屋に換気扇を設置し、個別に換気する方法で、個別の制御が容易になりますが換気扇のコストが高くなります。 Cタイプは居室部分を集中化して行う方式で、温風式集中暖房との組み合わせが容易ですが、局所的な風量調整が難しいという点があります。