NPO法人住環境測定協会は、シックハウスの予防・改善を目的とする事業者の協会です。

シックハウスの住環境測定協会■崩されたビル

 一生を現役で過ごしたいと願っている俳優にとって感性と身体はいつも研いていなければならない唯一大切な財産だ。ミュージカルへの出演が多い私も都合がつけば週5回、忙しくても週3回は水中ウォーキングをしに近くのトレーニング・ジムに通っている。
 地方での仕事から帰って久しぶりにジムに向かった日、その通りの印象が今迄と何か違っていた。ジムの帰り道、通りを見回してみて、一画が工事用シートで囲まれているのを見付けた。ここが違和感の元だったのだ。シートの奥は崩された瓦礫の山。大きくはないがビルが建っていた筈だけどどんな玄関でどんな色だったのか、不思議な事に具体的な事は何一つ思い出せない。

■茅葺き屋根の家

 一方、いつまでも忘れない、夢にまで出て来る建物もある。
 一つは高校卒業までを過ごした故郷の生家。毎年秋祭りの前には半分を葺き替えるのが恒例だった茅葺き屋根。晴れた日には増築したトタン屋根に梯子を掛けて布団を干すのが僕の担当だった。その家の様子はコンピューター・グラフィックのように、台所を抜けた先の戸袋に漂う薄暗まで当時のままに直ぐに目に浮かんで来る。その後新潟地震でヒビが入ったから瓦屋根に新築されたが、今でも夢に出て来るのは昔の茅葺きの家とそこから駅まで続く田んぼ道だ。

■不思議な夢

 もう一軒、良く夢に出て来る建物があった。東京で初めて住んだアパート。新宿から私鉄で10分程の駅に近いアパートは大家さんと玄関を一緒に使う間借り式。流しを隣り部屋の学生と共同で使う2階の6畳間に2年間住んだが、その後、ここが良く夢に出てきた。自分の家で寝ているつもりが何時の間にか隣りの部屋に見知らぬ他人が住んでいる夢。夢の中で、どうしてこの部屋と思っているとそこが何故かあのアパートの部屋になっている。どうも落ち着かない、だけど懐かしいような不思議な夢だった。

■広いマンション

 何年か前、何時の頃からかその夢を見なくなっている自分に気が付いた。不思議なので最後見たのはいつ頃だったかを思い出そうと試みたがはっきりしない。最近になって、あれは今の家に引っ越した後からではないかと思うようになった。資料と荷物が増えてどの部屋も物置のようになってしまったのを契機に少し広いマンションを購入した。あっという間にまた物置になってしまったが、夢を見なくなったのはその頃、狭かったから家賃から今の住まいに引っ越してきた頃のように思える。

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